ファウンデーションの夢 59 「二人の全権大使」
59 アルカディア、お帰り！いや、トランター全権大使、ダレル嬢。お陰で、ファウンデーションの全面勝利だ。ご覧のように、銀河はじまって以来の大パレードだ。何しろ戦勝記念、ファウンデーション創立記念、ドーニック誕生記念、アルカディアの15歳誕生会、そしてトランター全権大使の歓迎祝賀会が重なったからな。
ターバーさん。他のみんなは？
君のお父さんとセミック博士は恥ずかしがって来ない。マンはダゼンダからもうこのスペースポートに到着する予定だ。えへん、私はモーヴ行政府を代表して歓迎委員長を仰せつかった。
ターバーさん、ホントは私も、断ったの。心でこうなれ、と思っただけなのよ。カルガンのカリア様には宇宙電報で、マン叔父さんをダゼンダに赴かせて、ダゼンダとファウンデーションでカルガンを挟撃するよう説得に行くよう頼んだけれどね。
農産物輸送支援の責任者、プリーム・パルヴァーさんが突然、下痢になって、代わりに行ってくれと頼まれたもんですから。
それにしても、全てうまくいった。君の貢献は歴史的だ。全ファウンデーション放送局で称賛している。
ターバー、今着いた。アルカディアも一緒か？それにしては、ダゼンダ及びカルガン両政府代表、ホマー・マン様を歓迎してくれるには、派手すぎないか？
ホマー、お前は何か勘違いしてる！お前なんか誰も歓迎してはいない。君、ポートの入管のゲートを潜った時、何か衝撃、受けなかったのかい？
おめでとう、ホマー・マン。無事に元のお前に戻ったんだからな。ダレルの脳波コントロール解除機のお陰だよ。
そんなに俺のこと、みんな馬鹿にしやがって。金輪際、言うことなんて聞かないからな。アルカディア、お前もだ！
それはそうと、ターバーさん、アンソーアはどうしました。
それが、ダレルの機械にかけると言ったら、次の日から、行方を眩ましたんだよ。
yatcha john s. 「二人の全権大使」『ファウンデーションの夢』第五部 その９
