春でも夏でもない時の間(はざま)で
陽射しを避けて 迷い込んだ不思議な世界
一呼吸するだけで英気がよみがえる
その英気は過去へと誘い、そしてまだ見知らぬ未来を朧気ながらも写し出す
甘い微風に誘(いざなわ)れ 何かが声をかけたのだろうか
ハロー、と聴こえたよう
それとも木の葉が擦れる囁きか
どちらでもいい このまま夢うつつでも
峻烈な現実に戻ろうとも 英気に包まれた自分がいるだけ
春でもなく夏でもない季節のなかで
立ちすくむ自分がいる
どうせ時間がゆっくりと語りかけてくれる
今までもそうだった 焦ることはあるまいと
yatcha john s. 「春でも夏でもない時の狭間で」