yiyin31405222’s diary

二万年後の銀河を考える。

ファウンデーションの夢 前史 5 完結

ファウンデーションの夢 前史その5(完結)

 アシモフは1951年からはじまるファウンデーション三部作の後、40年近く過ぎて、驚くべきことに、『ファウンデーションの序曲(Prelude to Foundation 1988 )』という三部作の前史を書きます。
 そしてアシモフらしく、人々を興奮の坩堝に落とした後、その後日談としての『ファウンデーションの誕生』を1992年に出版されるのですが。
 その最後の締めの部分を紐解くと、「セルダン、ハリ...銀河紀元12069年(ファウンデーション紀元0年)大学の机に突っ伏して死んでいるのが発見された。明らかに最後の瞬間まで心理歴史学に取り組んで、プライム・レイディアントをしっかり掴んでいた。遺言でそれが同僚のガール・ドーニックのもとに送られた...『銀河百科辞典』」

 『序曲』では、ハリ・セルダンが、トランターに数学のある学会に出席のため故郷ヘリコンから訪れたところからはじまります。
 その時ダニールは銀河帝国の宰相及び主席補佐官として、忌々しくも「歴史記憶因子」に掻き乱された銀河の混沌化に対して最後の戦略の実行段階へと行動に出ます。一つ、第零法則によるロボット製造基地を惑星イオスに設置します。第二、銀河歴11988年に、彼は後の皇帝クレオン一世とハリ・セルダンを同時に誕生させます。12010年にクレオン一世が皇帝に就任するや、かれは、彼の宰相兼主席補佐官となって帝国の業務全般を取り仕切りました。
 そしていよいよ『序曲』の導入部でハリの登場と共に一介の市民の姿になりきって、ダニールは「ヒューミン」という親しげな名前でハリの前に現れるのです。『ファウンデーションの夢』の冒頭は、それより十年後、宰相の位をハリに譲って、ハリの目指す銀河復興の構想に加担すべく、その糸口を探る旅を始めるところから始まっております。
 さらに数奇と言えば、アシモフは、この『ファウンデーションの誕生』の執筆後すぐ他界しました。ですから、この本が絶筆となったことであって、誕生と死を同時に起こせた稀代の文筆の英雄と言っても過言ではないはずです。

 長くなりますので、書ききれないことが多すぎますので、この辺とさせて頂きますが、この辺のところは、『ミーターの大冒険 エピローグ編』に任せてもらいましょう。
 そうそう、今を生きている僕は、ハリとアシモフの数奇を越えて、ガールを物語の筋として、ハリやアシモフを、僭越ながら、現在に生き返らせたいと思いました。

https://youtu.be/cr-gaicuNJg

Music ∶Nadia Violin Duo 


yatcha john s. 「ファウンデーションの夢」前史その5
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